SatoshiFujiwara

レディ・プレイヤー1のSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
3.9
本作でガッツリ引用されている80年代のアメリカンカルチャーには俺もかなりハマったんで、その後そこらへんの世界から少し遠くに来てしまった今だけれども、これを観てなんだか根源的な初期衝動的ムズムズをずっと感じておりました。『シャイニング』のパクリシーンではちゃんとバルトークを使っていて感心です(笑)。2Dでも凄かったんで3D、さらにIMAXならチビリそうだ。

しかしスピルバーグは同時期にこれと『ペンタゴン・ペーパーズ』みたいな一見正反対な作品を撮っていた訳で、それは『ジュラシックパーク』と『シンドラーのリスト』もそうだったし、やや変種ながら『宇宙戦争』と『ミュンヘン』も同系列だろう。多分ユダヤ系アメリカ人としてのパーソナルなアイデンティティに関わる問題、それに連なる意味でアメリカ映画史や文化史へのリファレンスを打ち出すことによるそれらへの嫡子としての意識と自覚がそうさせている気がする。だからコインの裏表のように同じ意識の違った表れ方であり、同じ時期に一見反対の作品を撮らねばならない内的衝動があるんじゃないだろうか(こんなことは既に誰かが指摘してる気もしますが)。
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