Kohtaro

レディ・プレイヤー1のKohtaroのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

英雄が死んだ。イースターエッグを見つけた者に全てを譲ると遺言を残してー。

まるでワンピースのような始まり方だと思います。一瞬ジェームス・ハリデーの姿に海賊王のゴールDロジャーが被るような。ワンピースではロジャーとルフィの2人は東の海出身という共通項をもちますが、レディープレイヤー1ではハリデーとウエイドは2人ともオハイオ出身と共通項を持ちます。

この映画は大きな枠組みとして世代交代を扱っています。そしてジェームス・ハリデーは後継者に4つの素質を求めます。
①上手くいかないときは全力でバックしろ
②恋愛面でも成功しろ
③ゲームを心から愛する人間であれ
④自分と同じ間違いは犯すな
それぞれが鍵に相当し(4つ目は最後の関門ですが)面白いのはその後継者選びがゲームであること。

ジェームズ・バリデーは彼自身がかなりのゲーマー。きっと彼は人生を通じゲームから多くの教えを学び、ゲームの製作者側に回ってからもプレイヤーにゲームを通じて何かを教えたい、求めたいと思ったのでしょう。

そしてパーシヴァル、ウェイドはハリデーが求める素質を持つ存在であることを示しながら、その教えを全て吸収していきます。

選ばれし主人公のとても王道的な物語。

スピルバーグはこれまで数多くのSF映画を作ってきました。クローン技術が騒がれバイオテクノロジーに注目が集まった90年代に『ジュラシック・パーク』を。そしてこのVRが騒がれる10年代に『レディー・プレイヤー1』を。VRという題材だけでも夢がありますがこの物語を重層化するのはそれだけではありません。

僕が1番感動したのは25セントのくだりです。この映画における25セントというのは昔ゲームセンターでアーケードゲームを行う時のワンコインという意味なのでしょう。普通の人から見たら一ドルにも満たないなけなしのお金。でもゲーマーたちにとってはその25セントで物語は始まり、ライフが貰えた。このワンコインの重みはゲーマーでなければわからない。

最後ウェイドに対してオグデン・モローが25セントを支払う契約をしたのは、ウェイドがこれから作るオアシスに対しワンコイン入れるから遊ばせてね、なんて意味があるのでしょう。

ふらっとゲームセンターに立ち寄ってワンコインを入れたくなる映画でした。
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