ベルサイユ製麺

レディ・プレイヤー1のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.0
この作品について事前に伝え聞く情報や、それを受けてのヴィヴィッドなリアクションを客観的に眺めながら、「それって自分が観たいヤツかなぁ?」なんて、割と冷めていたのですが…。
本 っ当にすいませんでした!!!今からデロリアンで遡って、スカしてた自分にホチキスが空になるまで(一箱千本入り)カチカチしてやりたいよ!

めっ ちゃくちゃ面白い!そして、“自分が観たいか否か”を超えていつだって想像を絶する面白さなのがスピルバーグなのだよ!カチカチカチカチカチカチ!(ホチキス音)
もう、ディテールの事なんてさておいて、スピルバーグの手腕に逆らう事なんて出来ないのだ!あのリズム感と構成力があれば、例え“Amazonの段ボールの種類のいろいろ”を見せられてたとしても胸が熱くなってしまうのだ…。
あ、いやいやもちろんディテールも面白いんですけどね、ディティール由来の面白さってそこまで絶対的では無い様な気がしました。それに個人的には日本の観客に気を使ってもらってるみたいでちょっと申し訳ないような感じもありますね。「なんかうちの連邦の白いのがすいません」て思っちゃう。
それより寧ろ話の本質は、クソみたいな日常と理想の仮想空間が不可分になってしまった世界の方ですよね。
自分はほぼゲームを嗜まなくなってしまったので、余り身近なテーマじゃないように思ってしまっていたのですけど、いや、関係大有りです。何のことはない、今こうやって文字をポチポチ入れてるこの状態の話ですよ!
スクリーンの・モニターの中の出来事についての感想、想いを、架空の名前と人格(?)を使って、何処かの誰かと伝え合う。離島でも、山奥でも、ビルの中でも、同じ体験に心震わせる人が居る。仮想空間の中に愛で繋がった様々なクラスタが有って、現実の世知辛さ、寄る辺なさに弾き出されないように支え合っている。
それらを差して“オアシス”だなんて大袈裟かもしれないけれど、でもコレが無くなったら、残るのは残念極まりない日常だけですもの…。
だから“オアシス”を守る戦士たちの必死の戦いは、一見アホなブンドドにしか見えなくても、めちゃくちゃ共感しちゃいますよ。自分だって闘える!オレはドラッツェで出る!!
…まあ、それだけにラストの着地には微妙な気持ちも抱いてしまいますが。あと、…全体的にちょっと男の子向け過ぎるかな?「Moonに変わってPunishmentよ!」とか有っても良いと思う。

表面的なところで“やっぱスピルバーグすげぇ”と思ったのは、俳優の格・知名度の違いが作品内では完全にフラットになる事。そのおかげで、イチからキャラクターに思い入れられて、“好きな人が楽しそうだと自分も楽しい。苦しそうだと自分も苦しい。逆もまた然り”という非常に原初的な感情を持って映画に向き合える事。あと、アクションシーンがどんなに複雑化しても何が起こっているのかちゃんと分かる事とか、劇伴がジョン・ウィリアムズじゃなくても、一聴しただけでスピルバーグ作品だと分かるようなセンスの統一感もホントに素晴らしい。骨格が、呼吸がスピルバーグなのだ!
もうやっぱり、つべこべ言わずにスピルバーグは全部観るべきだなと再認識しましたね。…まあ仮に『BFG2』とか作られたら、不毛と分かりつつかなりつべこべは言いますけどね!
あと、タイトルがちょっと分かりにくいですよ。大オチがATARIネタなんだから、邦題は『コインいっこいれる』が良いと思います!

よし、オレはドダイYSで出る!!!