愛と時間と死という、
「もの」にあてて手紙を書くと、
それらが人のかたちで会いにくる。
それぞれが手紙への回答と、意見を引き連れて。
(実際彼らは存在したのか、どうなのでしょう)
中でも、個人的に際立って見えたのは時間だった。
彼は、いつも不満をぶつけてくる人間に怒っている。
「人生は短い、時間がない、」
人間は文句ばかり!
そんなことはない、一日は長いんだ。
無駄にするな。
それから愛と、死。
最初彼らはしがないアクターだったはずなのに、
完全にそれぞれの役を果たし、
昇華されていく。
(私は途中ハワードが同僚の目論見に気付いてしまうシナリオなのではないかと思ったのだが、見事裏切られ…。)
そしてハワードを取り巻くそれぞれの人生にもなんだか首を突っ込む。
彼らが本当に人の形としてやってきた、
「もの」だったらいいと私は思う。
私が必死でこぐ自転車の後ろに摑まって、
時間を無駄にするなと叱ってくれたら。