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ダークタワーのkotchanのレビュー・感想・評価

ダークタワー(2017年製作の映画)
4.2
スティーヴン・キングの原点とも言える長編小説を90分そこそこにまとめるには無理があるし、壮大な世界観ゆえにどうしたって理解しきれないところはある。原作ファンにしてみればあれもこれも物足りず駄作だと罵っているかもしれないけど、原作未読で世界観なんて初めっから理解できないだろうと思っていた謙虚な僕にはかなり楽しめた。
ダークタワーの役割、根本世界(僕らが住んでいる世界)と中間世界(異世界)、その2つの外側にあるもうひとつの世界と怪物の存在については一応の説明があるので大丈夫(よくわかってないけど)。
そんなことよりもスティーヴン・キング原作なので、ビビリー族としてはホラー演出の方をついつい心配してしまった。平たく言うとビビっていたわけだけど、ノミの心臓が止まりかけるようなトラウマ級の演出なんかは無くて随分控えめだったのは助かった。

イドリス・エルバってつくづくアクション向きだなぁと思う。西部劇のテイストをうまく取り入れたガンアクションは期待通りだったし、リボルバー式拳銃に弾をこめるシーンはカッコ良すぎ〜(もっと観たかった!) アーサー王の名前が出てきた時は「ほほぅ〜」ってなるし、ローランドが愛用する拳銃もご大層な代物なのもニヤニヤしちゃう。

ガンスリンガーの宿敵ウォルター(黒衣の男)をマシュー・マコノヒーが楽しそうに演じてたな。悪役のイメージがあまりないけどぴったりの役。無敵じゃねーかと思えるほどの魔術師。とにかく非情ですぐ殺しちゃうヤバい奴。
ガンスリンガーのローランドとのラストバトルはなぜか笑ってしまった。おそらくここがダメなんだろうな。ここ以外にも不満があるだろうけど、終わり良ければ〜なんだからもう少し工夫があっても良かったんじゃないかな。
僕的にはその前のローランド無双ハードガンアクションで盛り上がっちゃって、そのテンションでローランドとウォルターのガチバトルに臨んだので緩やかに沈静化していったのが心残り。悪くはないけど良しでもない中途半端さが賛否あるのかも。

"ガンスリンガーvs黒衣の男" を軸に動いていく物語とばかり思っていたけど、少年ジェイクが思いのほかキーパーソンだったのが意外。ローランドとの父子のような友情もジンワリ熱いのが所々でグッとくる。ジェイク演じるトム・テイラーが良いんだよね。将来が楽しみだしうまく育ってほしい^_^

予想していたよりもアクションは少なかったけど終始楽しめたし世界観も好み。ジョン・ウー作品とは違う2丁拳銃のガンスタイルもめっちゃカッコいい!
イドリス・エルバが時々ボビー・オロゴンに見えたのは目の錯覚としても、ガンアクションが様になっててさすがの素敵♫
終わり方も良かったので続きを観たくなるけど続編はちょっと無理かな(^_^;)
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