せびたん

ダークタワーのせびたんのレビュー・感想・評価

ダークタワー(2017年製作の映画)
3.8
ガンスリンガーと魔道士。
どっちもかっこええええええ!!
二丁拳銃のガンアクション。
すげえええ!!!
リロードはやっっっ!!
ノールック長距離すぎてすげえええ!!

という映画でした。ガンスリンガーがかっこいいのはもちろん、魔道士のクレリック風コスチュームもかっこよかったです。
童心に帰って楽しみました。
少年を含めたメイン3人のキャラが立ってたので最後まで退屈しなかったです。

日本のアニメと親和性が高い内容だったような気もしました。あるいは歌舞伎的な予定調和の美学?主要人物3人ともキメるとこではキメてきてましたので。よっ、暗塔屋っ。

(ちなみに私は原作者キングの小説は読んだことがありません…)


ストーリーは梗概(あらすじ)を読みあげてるような砂っぽい感じでしたが、その分、想像を膨らませる余地が多いといえるかもです。私は同様の理由から世間では評判の悪い「フィフス・ウェーブ」とか「砂の惑星」もけっこう好きなのです!(ホント変わった嗜好だと思ってます)

ある設定を提示されると、普通はいろいろあってからこういう結果になる、という流れがあるじゃないですか?
けど本作では設定の提示と結果がほぼ直結されてました。

ええ、話が早くてよかったです…笑

たまに観る分には…ですけどね。
世の中の映画が全部こうなったらイヤですが。

また、序盤は「でも誰が信じる?」系の話でして、少年に見えている世界を誰もが妄想だと否定し、少年は精神的に病んでいると周囲から判断されてます。中盤からは物語の舞台が少年に見えていた世界へ移っていくものの、これは妄想なんかじゃないという確実な証拠は提示されなかった気がします。

ですので父親を亡くした少年が、父親を亡くして復讐に取り憑かれたガンスリンガーを妄想し、巨大な力・悪の力の象徴である魔導師(少年にとっては現実世界そのもの)と心の中で戦うという切ない話である可能性が普通に観たときの物語にかぶってきます。その多重性がおもしろかったです。

とはいえ最後で少年の自立が描かれているので、妄想であってもリアルであってもハッピーエンドであると私は信じてます。

少年とガンスリンガーが出会うことで、ふたりが大人に成長する話でもありました。
ああ、こっちの話をメインで書いた方が感じのいいレビューになったな…。やらかした…。

多重性といえば少年とガンスリンガーがふたりで射撃の練習をする場面。
あそこで唱えられる父という言葉の多様性には痺れました。
父とはリアルな父であり、伝統の象徴であり、天にましますあの方であり、まとめていえば自らの信念、みたいな。人の価値観の本質をうまくあらわしてた気がします。なんちゃって。

と同時に、

・破壊の目標になってる塔の名前がダークタワー。
・それを狙っているのがクレリック風のコスチュームの男。
・作品内の価値観の基準が少年に置かれている。

なんてことを考え合わせますと、実は少年が判断を間違えていて、クレリック(魔道士)が正義なんじゃないかなんてことも想像してしまい…。まあこれはどうでもいいや。笑

最後に繰り返しになりますが。

ガンスリンガーと魔道士。
どっちもかっこええええええ!!
二丁拳銃のガンアクション。
すげえええ!!!
リロードはやっっっ!!
ノールック長距離すぎてすげえええ!!
せびたん

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