群青

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングルの群青のレビュー・感想・評価

3.7
2018年劇場鑑賞11作目。
吹替。


スパイダーホームカミングはブレックファストクラブ、デッドプールのラストはフェリスはある朝に。レディプレイヤー1は上記2作品の名前が。そしてこれもブレックファストクラブ。これらを作り上げたジョン・ヒューズを必修しなければ昨今のエンタメ映画を追えないという事か。フェリスはある朝は観れてないけど笑


とりあえず、自分が子供の頃にやったジュマンジの続編だ。オープニング、お馴染みのドコドコというドラムから始まる。お馴染みの、と書きながら忘れていたが、聴いた瞬間ジュマンジの足音だ!と思い出す。作中、登場人物達もこの音を聞いて戦慄した。
観客も22年の時を超えて同じ感覚になる。なんというニクい仕掛け。
その瞬間、僕もジュマンジの中に入ってしまった。


コメディ感はとても現代的でゲームをしておけばおくほどニヤリと出来るようになっている。パラメータ表示やNPCの扱いなど、あるあるが楽しめる。
それがイマイチ分からなくても性別や人種や見た目の方向性も変わってしまったキャラクター達のギャップに笑ってしまう。
ロック様とカレン・ギランという美男美女なのに中身が陰キャラのため引き起こる甘酸っぱくて笑ってしまうシーンとか笑


しかしここで吹替で観ておくとさらに楽しみが増すはずだ。
ロック様吹替の楠大典さんだ。声質の関係でロック様やマッチョな黒人など屈強な男を演じることが多い楠さんが外見はロック様、中身はひ弱なオタクを演じる。
驚いた時のヒッ!というか細い声で、それはどこから出てくるのかと突っ込んでしまう笑 そんなことを言ったかと思えば、ロック様の溢れ出すフェロモンな顔でイケメンボイスを放つ。これは最早ドヤ声という表現を使って良いだろう笑
個人的にロック様はワイスピの影響で小山力也さんがしっくりきていたが、この作品においては楠さんで正解だ。(ちなみに楠さん、ワイスピでは主役ヴィン・ディーゼルをやってます。やっぱりハゲ笑)

ジャック・ブラックと高木さんなど鬼に金棒な組み合わせで、しかも今回は中身がギャル。この鬼は金棒持っている上に、背中にロケットを装備してしまった。
彼の繰り出すギャル言葉遣いは爆笑しっぱなし。観て!スマホ持っていたらインスタしてたのに!というくだりはくだらなさすぎる笑


そんな笑いの要素はありつつ、昨今の社会情勢に主眼を置いている作品でもある。
自分とは正反対の人種・キャラを背負うことで、人間が外見ではなく中身なんだというメッセージ。だからこそ相手だって見た目じゃない。今作やブラックパンサーやズートピアなど昨今のエンタメは本当に多様性について説く作品が多い。
自分もこういう作品のおかげで無意識に持っていた差別を軽減できているのかもしれない。そして何よりこういう作品を子供が観る事によって、真に相手を思いやる差別のない世界に近づいていくのではないかと思うと、胸が込み上げてものがある。
同時によく話に上がってくるジョン・ヒューズはかなりの先見性があったのか、と唸った。ホーム・アローンでも鳩のおばさんがいた。マイノリティに対して優しく手を差し伸べていた。


今の時代に必要なのは理不尽を笑って吹き飛ばす力なのかもしれない。

理不尽をふっかけてくるヤツにはこのジュマンジのドラムを聞かせてやろう。
ようこそ、ジュマンジへ、と。
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