まっつん

ザ・ギフトのまっつんのレビュー・感想・評価

ザ・ギフト(2015年製作の映画)
3.7
ジョエルエドガートン初監督作品。日本ではあまり有名ではないかもですが、スターウォーズのエピソード3で最後の方に若き日のオーウェンおじさんとしてちょこっと出てた人です。あとは名作「ウォリアー」とかにも。

まず本作最後まで見るとタイトルが実に良く考えられていることが分かります。Giftという単語は「贈り物」の他にも「授かり物」という意味もありましてその辺りを二重三重に練ったお見事なタイトルだと思います。

本作は主人公夫婦がカリフォルニアの一軒家に越してくるところから始まるのですが、本作は窓ガラスを隔てた内と外の視点というものを非常に有効に使っており、序盤から先の展開の暗示としても上手に使われているように思われます。またこの家がとかくガラス張りの部分が多いんだ笑。当たり前ながら「ガラス張りの家=夫婦の無防備さ」みたいなものを象徴していて、2人は物理的にもそれ以外の意味でも「外から見られている」と。そして夜になるとライトで光る室内からは外の景色は見えないのだけれども、外からなら室内は良く見えるという一種、夫婦と夫の同級生ゴードとの関係性を表したような家なわけです。

ほんで序盤はですね、「ヒメアノ〜ル」などでも見た「昔の友達気まずい映画」になっていて実に気まずい笑。分かりますよ笑。お互い認識はしてたんだけどなまじあんま親しくなかった分、後年距離が近くなった時に「なんだかなぁ」ってなっちゃう感じ笑。んでウザがられちゃったりして笑。ここの辺りは本当に両者居た堪れない感じになってくるんですけど、ここから徐々にそういう話でも無くなってくると....

後半からは「クソ野郎は何年経ったってクソ野郎映画」に変貌します。これも分かります!笑。結構人間なんて変わらない物なので何年か振りに会った友達が以前と全く変わらないクソ野郎だったなんてことは良くあります。てかそういう奴に限って変わらない。クソ野郎のくせにやたら大人からはチヤホヤされてそのまま育っちゃったような奴。ほんとクソ野郎ですね笑。

ゴードを演じたジョエルエドガートンはオーストラリア出身俳優らしい若干芋臭い存在感とナヨナヨした雰囲気が独自のバイヴスを醸し出しており非常に良かったですね!特に登場シーンの画面のピントが合ってないくらい後ろの方からちょいちょいこっちを見てる感じがいい笑。見てるこっち側としては目立って見えるんだけど、いい塩梅の存在感のなさもあるというか。

あと奥さんを演じたレベッカホールも結構好きな女優さんです。アンハサウェイとスカーレットヨハンソンを足して二で割ったみたいな顔してますけども髪型が良いですよ。ああいう髪型してる人は男女関係なく無条件で好きです笑。髪型は置いておいても、芯の強さがあるように見せかけて結構誰にでも優しい女性を好演していました。んでその優しさが事態の進行に拍車を掛けてしまっている部分もあると。

というわけでスリラーとして充分に楽しめる良作だと思いました!欲を言えば何か1つギャーっとなるようなショックシーンが欲しかったかな!