deenity

ザ・ギフトのdeenityのレビュー・感想・評価

ザ・ギフト(2015年製作の映画)
3.0
明けましておめでとうございます!今年もまた拙いレビューですがよろしくお願いします!
と、まあ怒涛の忙しい12月も終え、久しぶりの映画だと思ったら年まで変わってました。昨年はトータルで135本の作品が見られました。幸せです。今年こそは落ち着いていろんなことをこなしてもっといろんな作品を見ていきたいものです。

仕事もプライベートもそれなりに充実して幸せそうなサイモンとロビン。そこで出会ったのが高校の同級生のゴート。久々の再会後、度重なる不気味な訪問や贈り物に距離を置くようになるのだが、二人の間には秘密があった。

冒頭は明らかに怪しげなゴートに違和感を抱きつつも、ぞんざい過ぎる扱いをするサイモンに不信感もありました。だいたい一方が相手を認識していて、もう片方は名前を聞くまで思い出せない関係なんて怪しい匂いがプンプンなんですよ。でもそれこそがこの作品のミスリードでもあって、見終わって思い返すと二人の関係を表す上で非常に重要なシーンだったんだとわかりました。

あのサイモンの態度に不信感を抱くのも正しい反応でしたね。もの凄い上からの態度も相当な苛立ちを覚えますが、謝罪のシーンなんかは反吐が出ますね。まあ「三つ子の魂百まで」とも言いますし、人の根本の性格なんて上部を繕った程度ではどうにも変わるものではないんでしょうね。

ただこの作品の嫌なところ(褒めてます)はそのシーンのゴートの一言にこそあって、「手遅れだ。」ってワードは一体どこまでのことを指してるんですかね。単純に許す許さないの範囲で手遅れを指しているならまだ良心的。
最後まで見るとゴートからのギフトが明らかになります。ただそこが本作の嫌なところで、本当に3つ目のギフトで終わってるんですかね、ってことです。
「いい人にはいいことがないと」というのがゴートの根底にある考えなのだとしたら、それは怯えながらもゴートに謝罪をすることを促したロビンには手を出さないという宣言であるようにも思えますが、一方でその言葉は他ならぬ自分自身にも向けられているようにも聞こえます。

ゴートからも行き過ぎた行為を手紙にて謝罪しますが、もしゴートの行為自体にかかっている言葉だとしたら、もし再び出会ってしまったことに対する言葉だとしたら、はっきり言ってあの第4のギフトは一生背負っていくしかない最悪のギフトとなるでしょうし、逆にゴートからしたら最高の復讐にもなったでしょうね。
復讐という点を強く捉えるならば、サイモンのやったことに対してゴートも同じように嘘を本当のことだと伝える復讐がまさにそれにあたるでしょう。するとロビンには手をつけていないことになりますが、どう捉えるにしてもサイモンからすればこれで人生が詰んだような思いにさせられているわけですから、どちらにしてもゴートの復讐は成功し、それと同時にそれを見た観客側が何とも言えない複雑な気分にさせられるのです。
deenity

deenity