つぐみ

ザ・ギフトのつぐみのレビュー・感想・評価

ザ・ギフト(2015年製作の映画)
4.5
めちゃくちゃ面白かったし怖かった!最後震えあがりました。
ジョエル・エドガートン、ほんと役の幅が広くて多彩で素晴らしい。

最初は隣で見てた夫が「こんな見え見えの展開見ててイライラするから見るのやめる」ってさじを投げてたけど、そこも完全に含みだったし、サイモン役の人のイケメンだけどあんまり記憶に残らない、ブラッドリー・クーパーとジェレミー・レナーを足して3で割った感じ(割りきれてない)も話がひっくり返ってからは!!!
夫も最終的に「面白かった!」と満足してました笑


簡単に言うといじめられっ子からいじめっ子への報復。
あんな事があって、地元にのうのうと戻ってこれるサイモン、心臓強すぎてまさにいじめっ子って感じだ。
パートナーや恋人の知られざる過去を知ってしまうっていろんなテーマで今まで描かれてきたけど(殺人犯だった、とかそういうやつ)いじめっ子だった、っていうのは割と新鮮な気がする。
そしてゴードが高校中退後どんな想いで過ごしてたかと想像すると胸が痛くなる。
一方で「俺だって酷い目にあったけど乗り越えてきたんだ」っていうサイモンのマッチョ精神や優生思想、根性論が分からんではないので(そりゃ人の人生めためたにするいじめは論外ですけどね)、単純に善悪で斬れなくてめっちゃくちゃモヤモヤするしずっとお腹が痛くて見終わったあともずっと心臓がばくばくしていました。

後味悪いとか言われてるけど、むしろ私は壮快にも感じたし、基本的に私は後味が悪いものが全然嫌じゃないんだなと改めて実感。
肝心の「やったのか、そうでないのか」はどっちでもいいけど、私はやってないに一票。
なぜならジョエル・エドガートン(役としてのゴードじゃなくて本人)は自分が悪者になるの嫌いそうだから笑


映画に出てくる素敵なおうちは印象に残る。有名どころだとトム・フォードの二作品はどっちもうっとりだったし、近年だと「メッセージ」「ビューティフル・ボーイ」「雨の日はなんとか」あと「Us」の別荘も良かったんだけど、本作のおうちも最初は良いな〜と見せといて、窓の大きさ、多さをこんなに恐怖に転換する見せ方も見事でした。1時間45分くらいでコンパクトにまとめる器用さも◎です。次作にも期待じゃ〜
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