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マグニフィセント・セブンのYYamadaのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
3.9
~超「勧善懲悪」の「新西部劇」~
【ネオ・ウェスタンのススメ】
『マグニフィセント・セブン』(2016)

◆本作の舞台
 アメリカ西部ローズ・クリーク
◆連関する時代背景
・1865年 / 南北戦争の終結
★1879年 / 本作の舞台

〈見処〉
①オールスターキャストによる
「孫リメイク」アクション活劇!
・『マグニフィセント・セブン』(和訳:「素晴らしき7人」)は、2016年に公開されたウエスタン・アクション。
・本作の舞台は1879年、アメリカ西部に位置するローズ・クリーク。この小さなの近郊から金が採掘できることが判明し、悪徳実業家のバーソロミュー・ボーグは住民たちを町から追い出そうと教会に放火し、抵抗した住民たちを射殺。
・ローズ・クリークの町の人々は、賞金稼ぎのサムを中心に、ギャンブラー、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを雇う。最初は金のため町を守ることになったサムらだったが、いつしかその目的が金だけではなくなっていることに気付く…(eiga.comより抜粋)
・本作は、黒澤明監督、三船敏郎主演の傑作時代劇『七人の侍』(1954)と、ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンなど当時の大スタースターが勢ぞろいしたリメイク・ウェスタン『荒野の七人』(1960)の2作を原案とした「孫リメイク作品。
・主演のデンゼル・ワシントン、共演者も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット、「ビフォア・サンライズ」のイーサン・ホーク、『G.I.ジョー』のイ・ビョンホンなど、オリジナル2作に負けず劣らずの豪華キャストによるアクション大作である。

②アントワーン・フークア
・本作の監督は、ミュージックビデオ製作出身のアフリカ系映画製作者アントワーン・フークア。
・彼のキャリアに支えられたテンポの良いアクション映画向きの演出は、『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013)などの監督作品で証明済。
・また、デンゼル・ワシントンにアカデミー主演男優賞をもたらした『トレーニング デイ』や『イコライザー』シリーズなど、ワシントンとの相性の良さは本作でも発揮。
・「黒人が主演する多様性溢れた西部劇」に「最先端のアクション描写」を採り入れた、本作に相応しい監督である。

③結び…本作の見処は?
白人比率の低い本作の7人であるが、違和感なく、現在の社会通念に合わせたリメイク作品として仕上がっている。
◎: 中盤以降の怒涛のガン・ファイトは大迫力。アクション映画としても上位に迫る大娯楽作品。
◎: 少ない陣営で迫り来る悪徳ガンマン達に対峙し、数々の罠で翻弄。また、終盤のガトリング砲に特攻する様は「真田丸」の真田幸村を彷彿とさせ、本作から日本由来のD.N.A.を感じることが出来たのは、自分だけだろうか?
◎: エンド・ロールに流れる『荒野の七人』のテーマ曲と7人のスライドに大感動。
○: 7人を雇う町の未亡人を演じるヘイリー・ベネット。『ラブソングが出来るまで』(2007)にてプッツン・アイドル(死語)、「コーラ・コーマン」を演じていた彼女が、大人の女優に成長した跡が確認出来る。
▲: 7人が揃うまでが長い。その尺を町の人々との交流を厚く描いていたら、大傑作だったと思う。
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