ロックウェルアイズ

ベイビー・ドライバーのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.6
幼い頃事故で両親を亡くしたベイビーは、事故の後遺症の耳鳴りを遮断するために、いつもイヤホンを付けて音楽を聴いている。
訳あって銀行強盗の逃し屋ドライバーとして組織に所属している彼だったが、運命的に出会った恋人を守るために犯罪組織から足を洗おうとするのだが…

昨年の『ラストナイト・イン・ソーホー』に続きエドガー・ライト作品は2作目。
最高!テンションぶち上がる!
こんなの楽しめないわけがない。
相変わらずエドガー・ライトの音楽と映像のセンスが光り、音楽と映画が一体となった華麗なシーンの数々に目を奪われた。
主人公の成長物語なストーリーも勿論良いんだけど、そんなことよりひとつひとつのシーンが推せる。
見せ場は決してカーチェイスだけじゃない。
特にテキーラのシーンやベイビーの逃走シーンの音楽と銃声や生活音が融合するところは気持ち良過ぎて何度でも観たい。

まず「ベイビー」っていう名前が良いよ。
幼そうで無限の可能性を秘めた感じ。
音楽を聴くと集中出来るっていうのは自分とは逆だった。
自分は音楽とかテレビ音が少しでも耳に入るとそっちに気がとられて何も出来なくなっちゃうので。自分語りはまあ良いや。
ベイビーは悲しい過去を背負ってかつ搾取される側にいるけれど、自分の実力でそれを打破して愛する人を守る姿がカッコ良過ぎて…
おばさんに荷物返したり、赤ちゃん返したり、里親のジョーをいつでも気遣ったり。
優しい上に会話を録音して音楽作っちゃうところも良い。
iPodで音楽聴いてコーヒー持って街を闊歩、憧れる。
里親のジョーの役者さん、ベイビーを心配する表情がとても良かった。
リリー・ジェームズもめちゃくちゃ可愛いし。

ベイビーは「君とは住む世界が違う」と言っていたけれど、そんなことはないと思う。
彼はこちら側の人間だ。
車が駆け抜けるような爽快かつ強烈な展開から納得のラストに持っていく作り、本当に上手い。
やはり続編はあるみたいなので期待して待とう。

「今日はバナナが来ていない。」