自分が今までに見たエドガーライト作品はフィルムを脇の下に擦り付けてんじゃねーかっていう匂いがしてたと思う。
けどこの映画ではそういう匂いをあまり感じられなかった。
「俺はこーいうのが大好きでたまらないんだ、どう?めっちゃ良くね!?」とばかりの無邪気な映像愛が薄れ、きれいにかつこじんまりとまとまってしまっている感じがして残念だった。
なんというかいまいちダシの出てない映像だった。
私の音楽やカーアクションの素養のなさのせいか?
過去作に通底していた人間愛も無かった。
人間の不完全さや鈍臭さをやさしく愛し、そういう人間の裏返しのパワーをアクションとコメディで元気に表現し、昇華させる素晴らしい才能は今作では見られない。
冒頭のカーチェイスが始まるまでや、タイトルロゴが出るショット、サンプリングを使った曲作りのシーン、いかにも憎たらしそうだが意外といい奴の小太りのガキ、ケヴィンスペイシーのポンプアクションぶっぱとかは良かった。