Ideon

ベイビー・ドライバーのIdeonのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.5
主人公ベイビーは、両親を交通事故で亡くし、自分も後遺症で耳鳴りに苦しんでいる。音楽を聴いている時だけ耳鳴りが止み、普段もiPodが手放せない。人並み外れた運転能力を持つベイビーは、銀行強盗の逃がし屋をしている。逃がし屋としての最後の仕事を終え、裏稼業から足を洗おうとしていた時、馴染みのダイナーでウエイトレスのデボラに出会う。デボラのためにも真っ当な仕事をしようとするベイビーだったが、逃がし屋の仕事からは逃れられないのだったというお話。
冒頭で、車の中でリズムを取る主人公を見て、これはダメなやつだと思ったが、思いの外、しっかりした犯罪映画になっていて、音楽に合わせたカーチェイスも見ているうちに心地よくなってくる。登場人物も全てキャラが立っていて、ジェイミー・フォックスの狂犬のようなギャングをはじめとして、皆、魅力的に造形されている。リリ・ジェームズはアメリカンガールの理想を体現していて、すこぶる印象的で素晴らしい。アンセル・エルゴートも、サングラスをかけた顔が瀬戸康史に見えて仕方がなかったが、溌剌とした魅力を発散している。何度も見たくなる犯罪映画の新たな傑作が誕生したと言えるだろう。
Ideon

Ideon