タツキ

ベイビー・ドライバーのタツキのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
5.0
エドガーライト新作。今年ベストどころかオールタイムベスト級のウルトラ大傑作だった!素晴らしい!

ミュージカル的な演出とかアクションと音楽が合わさった映像とかがやっぱ注目されがちで、もちろんそれらの演出もとんでもなく素晴らしいんだけど、自分はなによりも脚本が素晴らしいというか、ここまで映画の「物語」に引き込まれグッと来させられたのも久々な気がした。特に後半の容赦ない怒涛の展開と、愛と正しさをめぐる物語にシフトしていく構成にはヤラレた。

音楽をこんなはずじゃなかった現実やトラウマからの逃避として描いてるんだけど、後半にベイビーの逃げ場であった音楽と車が無くなり走るしかなくなってく様がすごく切なく、追い込まれ、対峙し、成長するというプロセスがすごく丁寧に描かれていたと思う。GOTGのスターロードと同じく音楽に本気でノッてる瞬間が一番切ないタイプの主人公だった。

ベイビーだけではなく悪役たちの描き方もバカみたいに素晴らしく、クライマックスの、シュチュエーションとエモーションのこじれだけでどんどん一寸先の読めない展開になっていき、それと同時に各キャラクターのドラマの厚みも蓄積されてく手際もほんと鮮やかだった。特にベイビーの合わせ鏡になり、衝突しなければいけなくなるあのキャラは演じてる俳優も含めてMVP。劇中ベイビーと音楽を共有した唯一の同性であり、唯一の理解者にすらなってたかもしれないからこそ余計クライマックスの展開の熱さと切なさが増す。

そして、俺たちに明日はないやゲッタウェイへの現代的アンサーといっても過言ではないラストもとっても輝いててチャーミングだった。正しさだけじゃ生きてけないこの世界だけど、それでも人間として持つべき善意や優しさを捨てなければいつだって生き直せる、人生は素晴らしいというとても希望的なメッセージで咽び泣いた。特に夢が現実に色付いてくラストカットは名シーン。

ラブストーリーとしても、研ぎ澄まされた犯罪映画としても一流の正に完璧な映画だった。これからあと何十回も見直すであろう作品でした。最高!!!