ツキノワ

ベイビー・ドライバーのツキノワのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.5
封切り前から冒頭の映像と音楽のシンクロシーンを公開して、こんなに見せて大丈夫?あとはカスじゃね?って思ってたけど、実際に観ると最後まで魅せてくれたね。
ストーリーは単純なんだけど、できるだけ無駄なシーン、例えば空港に車を盗みに行けと指令を出されても盗んで来るのは当たり前で、そんなシーンは一切省いて見せたいところだけを撮っていてテンポよく進むし、音楽も全編に渡ってほぼ鳴りっぱなしってのも観ていて疲れなかったな。

最初の強盗チームにウォーキング・デッドのジョン・バーンサルが嫌味な粗い役で出てて、お前ここでもか!って不快に感じた(役柄にね)が、その後は出て来なかったのでスッキリ笑
ベイビーを育てたジョセフおじさん、いい演技以前に本物の聾唖者じゃね?と思ってたらやっぱりそうだったのね。ある種音楽映画なのに究極の対比として聾唖者役を出演させ、音の振動で音楽を五感の一部で感じさせるあたりはこの映画が単なる音楽映画で終わらせない良いところ。
ベイビーといい仲になるデボラが、わけわからない内に犯罪に巻き込まれていくのに、その状況を瞬時に理解し順応するあたりはこの映画の唯一のご都合主義にあたるのかな?ラストはボニーとクライドにならなくてほんと良かった良かった。

音楽好きで死ぬまでに映画三本は撮ってみたい!と常日頃思ってる(あくまでオヤジの中二妄想ですが)が、この音楽と映像のシンクロ・同期って音楽PVではよくある撮り方で、映画で撮ってみたい手法の一つだったのよね笑 それを具体的にやってくれた!ってな映画だったよ。最高〜!
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