とりん

ベイビー・ドライバーのとりんのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.2
序盤から鳴り始める体を揺らすような音楽、そのリズムに合わせて様々な音が鳴り共鳴していく、そしていきなりのカーアクション。もうこのオープニングに持ってかれた。
なんつー爽快な映画、最近のワイルドスピードを始めとするカーアクションもただただ派手になっていくばかりで、こういうスリリングな公道を超絶テクでいく感じが欲しかった。そこにハマる音楽がホントに気持ちいい。初っ端からジョンスペはたまらん。
最初の30分だけでもう1回観直したいって思えるほど好きだった。

中盤までの流れもテンポ良くて、音に合わせる動きが映画自体を軽快にしていて、グッと引き込まれた。これが続くなら正直ストーリーなんてどうでもいいやって思うほど。
ただ途中から徐々にストーリー重視になっていき、音楽もカーチェイスも減っていってなんだか寂しくなっていった。映画として決して悪くないんだけど、最初にスタートダッシュ決めすぎた分、なんか後半の物足りなさが否めない。

しかし最後に見せてくれる生身での逃走劇はなかなかスピード感あるし、楽しめた。
入りたいわけじゃないのに踏み入れてしまった悪の世界から足を洗いたいけどなかなか洗えず、最後に決死の逃避行を見せるというまぁありがちな感じ。
この部分がキーで、音楽とも絡んでくる。過去の出来事から音楽を聴いていないと耳鳴りが鳴り止まず、過度ストレスに襲われる。これがあるゆえのストーリーが成り立つし、少し新鮮味も出てくるわけである。

曲のチョイスも良くてジョンスペンサー、Tレックス、ベック、ブラーといった王道ロックももちろんレゲエやポップスも流れてくる。個人的にはクイーンのBrighton Rockは上がった。超絶ギターソロに合わせたスリリングな感じは良いし、その前に男2人でイヤホンを共有し聴く場面も好き。
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