うるぐす

ベイビー・ドライバーのうるぐすのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.7
爆音映画祭で観ました。
もう、ただただ最高。言ってしまうと、爆音で観れる環境にいるなら、絶対爆音で、映画館で、観るべきだと面白います。
もちろん、カーアクションを始めとする映像は、つねに迫力満点なんですが、この映画が『drive』と一番違うのは、音楽が鳴り止まない所なんですよね。とにかく爆音あるのみです。映像体験としてこんなにも贅沢なことはありません。素晴らしい。
頑張ってくれ、HIGH&LOW。

音楽に合わせて、扉を閉めたり、銃撃戦したり、なんていうのがもう完全に小気味良くて。疾走感、テンポ、アクション、音楽、映像。全てが高水準。圧巻。
もう一度言う。頑張ってくれ、HIGH&LOW。

個人的に、前半、とにかく「円」がモチーフとして目立っていたように思います。
主人公BABYの運転する車のタイヤ。BABYの使うiPodのカーソル。ヒロインと出会ったコインランドリーの洗濯機。レコード。などなど。ピザやハンドルなんかを上げてもいいかもしれません。
その「円」が物語にも機能します。
つまりは、循環構造。
抜け出すことのできないスパイラル。
BABYに仕事を依頼するボスに借金があったから、強盗に加担していたのに、それを完済し終えても、足を洗うことが出来ずに、依頼されてしまう。しかも、自分に守るべきデボラという女性を“巻き”込むという形にもなる。
(関係ないですが、この辺の“巻き”の感じと、BABYはじめ登場人物それぞれが偽りの名前を一度は名乗るところあたりすごく『カルテット』だな、と思いました。)
ただ、そのモチーフが後半になると見事に少なくなってくるんですよね。
それが、BABYの脱出への行動として現れるのです。
その流れの鮮やかなことこの上なし。

的な感じです。
最高の映画体験でした。
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