ばろん

ベイビー・ドライバーのばろんのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.3
ただただ面白い映画だった。珍しいタイプの映画だと思う。

決して物語の内容が壮大だとか奇抜な訳でもなく、クライム、カーアクション、ロマンス、一つ一つのピースはいたって普通なものなのだ。

しかし、そこにベイビーの愛する「音楽」が全体を囲うだけでこんなにも不思議な面白さが生まれるとは思わなかった。

私がこれを見てまず思い出したのがMARVELSTUDIOSの「ガーディアンズオブギャラクシー」だ。ピーターの聴く音楽がシーンのイメージ、雰囲気を形作る構成。

しかし、この映画はそれとも違う。イメージを固めていくというよりも、音楽そのものが物語よりもっと下の土台部分に潜んでいる。冒頭のコーヒーを買いに行くシーンは特に顕著だ。バイクのエンジン音、電話の着信、ドアベル、日常の喧騒が自然と音楽にリンクする心地よさ。私達もついつい音楽に乗せて腰をくねらしたり、首でリズムをとったり、ステップを踏んでみたりしてしまうあの心地よさが映画の随所で見られるのだ。だから、見ているこちらは自然とあの世界に引き込まれていくし、同時にベイビーに感情移入していく。

音楽に乗せて進行していく物語という構成が、一見普通に見えるアクションやロマンスを一段と面白くしている。ジョーと音楽でコミュニケーション取るシーンも良かった。

何よりキャストが良かった。皆んなキャラクターにマッチし過ぎていて絵面が綺麗だった。大半が死んでしまったのが何とも惜しい。

全体的に好印象というか、逆に軽快な音楽を基に流れていくストーリーに乗れない方が難しいのではないだろうか。音楽もついつい気になって聴いてしまいそうな、そんな映画だった。