あすとろ

ベイビー・ドライバーのあすとろのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
5.0
音楽をかけ、止まらず駆けろ。

音楽を聴く事で天才的なドライブテクニックを発揮する犯罪組織の逃し屋ベイビー、彼はデボラという女性と出会いそれを機に裏稼業から足を洗うことを決めるが、犯罪組織のボス達の強引な引き留めにより裏社会へ手を引かれることに。
愛するデボラを守るため、ベイビーは逃げ出す事が出来るのか?というストーリー

エドガー・ライト作品の中でもトップクラスの大傑作!
監督兼脚本も務めてるが故にエドガーの持つ“こだわり”が113分間にみっちり詰め込まれてます!

なんと言っても完璧な映像と音楽の音ハメ
プレイリストムービーやミュージカルとはまた違う本作。
どのシーンを切り取っても音楽が完全に映像とリンクしていてそれと同時に映像が音楽を引き立たせている作り、一種のMVのようなポップさを持ちながらも見応えそして音楽とのリンクから味わえる快感は唯一無二であり本作意外では感じ得れないでしょう!
選曲もハマれてノれる、その上ロックからポップス、ジャズやレゲェなど幅広い音楽を満遍なく楽しめるので音楽の予備知識があってもなくても十二分に楽しめるようになっています!
また徹底的にベイビーの設定に合わせた音の調整は本当に見事でした。
イヤホンを両耳付ければ大音量で、片耳を外せば控えめな音量で、さらにイヤホンを両耳外すと耳鳴りの音(「キーン」という音)まで鳴らす徹底ぶり、これにより無意識の内にベイビーと観客をリンクさせるのでより没入できます。

“音ハメ”というありそうで無かった作品ではあるのでその部分がフィーチャーされがちですが、本作は完璧な伏線、布石回収作品でもあります。
一瞬だけ出てくるような所謂モブ的なキャラクターにも意味を持たせ、クライマックスで主人公のハッピーエンドへ背中を押すような役割を持たせたり、本当になんの気ない一言のセリフが主人公達の行動を暗示していたりと細部までの脚本的な作り込みはとても素晴らしく感じました!
特に注目してほしいのは前半部分のベイビーがコーヒーを買いに行く長回しのシーン、音ハメだけでなく背景のストリートアートに流れてる歌詞の一部が描かれていたり、今後の布石になるような言葉だったりとほんの数分の中にぎっしりと純粋な遊び心から生まれた“面白さ”が詰め込まれてるので是非注目して観て頂きたい!

公開当時、あまり大規模公開されなかったのかが本当に謎で仕方ない程に面白く楽しい本作
続編も制作されるのも納得なクオリティと内容なので是非観てない方は「騙された!」と思って一度観てほしい!
最高の映画体験をお約束します!
是非ご覧あれ!めちゃくちゃオススメです!
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