浅野公喜

ヒッチコック/トリュフォーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.5
書籍「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」のベースになったヒッチコック監督とトリュフォー監督の対談に、作品の映像やスコセッシ監督やフィンチャー監督、日本からは黒澤(清)監督等、著名な監督のインタビューも交えたドキュメンタリー。

まず対談のきっかけとなる手紙を貰えて嬉しかった、と素直に述べる気難しさがないヒッチコック監督に好印象。彼は元々アート系というよりはエンタテイメント系の監督とは思っていましたが、やはり観客を第一にした映画作りの姿勢が再確認出来ましたし、自身の個性や演出力をそのエンタメの枠の中へ見事に収めているのがよく伺えます。「サイコ」は有名なシャワールームでの殺人シーンも良いですが、俯瞰ショットで描く階段の殺人も取り上げてくれたので最初に観た時の驚きが甦りました。

対談後二人の交流は続いた点を考えると、師匠とそれを追いかける弟子の師弟愛が微笑ましくもあり。本も読みたくなりました!
浅野公喜

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