"映画の天才、ヒッチ先生"
これは映画好きはMUSTで観るべき教材的なドキュメンタリーですね。素晴らしい！
元になった本の「ヒッチコック/トリュフォー」は全く未読だが、それでもヒッチコックの映画への考えや取り組みには感動した。トリュフォーの他にもマーティン・スコセッシ、デヴィッド・フィンチャー、ピーター・ボグダノヴィッチ、リチャード・リンクレイター、オリヴィエ・アサイヤス、黒沢清、ウェス・アンダーソンなどなどヒッチコックを師と仰ぐそうそうたる面子が"如何にヒッチコックが凄いのか"を語っていく。それだけでも充分楽しくて元は取れるのだが、とにかくヒッチコックの観客の視覚を騙し楽しませる演出テクニックには仰天する。
ヒッチコックを師と仰ぐ監督たちが皆口を揃えて言っていたことで印象に残っているのは、"最近の映画はストーリーも文脈も様式美もクソもなく全編がクライマックスの映画が多くて面白くない"と。ヒッチコックの映画はその辺りの緩急、バランス感覚が絶妙だと言っていてなるほどな～と思わされた。
もちろんこのドキュメンタリーを観ればヒッチコック作品を観返したくなることは確かだが、色んな監督たちがあまりにも細かく分析し解説してくれるのでヒッチコック作品全部を観たような感覚にもさせられる。
とにかく映画を愛する人はこのドキュメンタリーを観て欲しいです。
