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アイリッシュマンのTPのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
3.2
 撮影当時(2017年)、70歳を超えていたレジェンド達、デニーロ(74)、パチーノ(77)、ペシ(74)は頑張ってはいる。しかしホッファの鮮やかなりし活動時期である1960~70年代に彼自身は50代であるとともに「ホッファ」(1992)のイメージもあり、CGも駆使して若く映る映像処理をしたとしても、レジェンド達の表情や動きはとても50代とは見えず(ちなみに主人公フランク・シーランは40代の設定。。。)、まずそこに違和感が生じてしまう。

 史実を妥協なく描いているのはわかるものの、登場させなくても良かった人物も確かにいて、登場人物が多すぎて追いつけないところもある。
 内容的に、「ゴッドファーザー」シリーズや「ワンス・アポン・ア~」のような痺れるような緊迫感もなく、若作りのおじいちゃんが淡々と暗殺などをこなしアメリカの組合と裏社会の推移をなぞっていく感じで起伏もない。スコセッシの作風も相変わらずであるため正直3時間半は長く感じてしまう。

 60代(設定は40代だがとてもそうは見えないので)から80代を演じるデニーロの見せるデニーロアプローチは健在で、さすがの演技力ではあるが、私の若かりし頃を魅了したレジェンド達も歳を取ったなぁ、でも頑張っているなぁと感慨を受けることはあっても、だからといって評価を甘くするのは違うと思うのでこの程度にしか点数はつけられない。
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