JunichiOoya

アイリッシュマンのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.0
全く予備知識無しで見物。アイルランド系とイタリア系のギャング抗争映画だと思ってたから「なんでIrishmenじゃないんだろう?」ぐらい。

そしたらなんとジミー・フォッファの話だった。それで懐かしく思い出すのはジルベスター・スタローンの『フィスト』かな。
なんせ70年代青春の爺さんとしては「チーム・スターズ」とフォッファの「失踪」は見事に生々しい記憶なんで。

で、この歳になって改めて見ると、ペンシルバニア・ダッチ、イタリアンマフィア、アイリッシュギャングとか、なるほどなあと楽しめますわ。

68年で瞬時にピークを迎え、日本では73年に一気に瓦解に向かった若い世代の「政治」指向の盛衰。時を同じくして、彼の国ではケネディからニクソン(まあジョンソンはどうでもよいとして)への腐敗連鎖、ギャングたちとの連携の申し子としてトラッカー達の保守ヤカラが組織化されていった流れ。
そういうことって丸ごと今の両国のムードとシンクロしてる、というかあの時代から完全に首尾一貫してますねえ。

映画としては終盤の流れは、明らかに演出のダレだと思うのだが。Netflix的にはどうしてもこの尺が必要だったのかしら? 思い切って端折ってしまった方が良かったように思います。

それにしても、くどいようですがノーマン・ジュイスンの『フィスト』は駄作だったなあ。
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