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アイリッシュマンのucandoitのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
5.0
スコセッシ、デニーロ、パチーノ、ペシ、それにカイテル(残念ながらほとんど出てこない)という3時間半のすっごい映画。
今やGANFAとも言われるネットフリックスはここまで来たんですね。

ドナルドダックやミッキーマウスも組合員だと言う全米トラック組合(チームスター)は共和党、民主党に続く政治勢力。
そのトップに上り詰めたジミーホファ(パチーノ)失踪事件はアメリカでは数々の都市伝説を生んでいるらしい。
その一つがフィラデルフィア・マフィアのボスであるラッセル・ブファリーノ(ペシ)が子飼いでジミーの信頼も厚かった「アイリッシュマン」フランク・シーラン(デニーロ)に殺害を命じたというもの。
頑固者で強烈なホッファが手に負えなくなり引退勧告をしたが拒否された末の事件。

ほんの50年前のアメリカですが、マフィアの影響力がハンパないです。
今はどうなんでしょうか。

酒の密売で財産を築いたケネディー家とマフィア。
JFK大統領選の資金協力をしたマフィア。
しかし当選後は意のままにならないJFKにロバート。
この映画ではケネディ兄弟暗殺はマフィアの犯行という示唆もあります。
労組チームスターを牛耳るホッファとズブズブの共存関係だったマフィア(今でもジミーホッファの息子が会長とか)。
一方、経営陣もマフィアを使っていた。
殺し屋「アイリッシュマン」もホッファの引きで組合の要職に。
ジョンソンやニクソンのマフィアとの関係も語られる。
キューバのカジノ利権(バティスタ政権)復活のためにカストロを消そうとするマフィア。

80間近のデニーロ、パチーノ、ペシが主役(CG技術で若返っている)。
見せてくれます。

スコセッシ映画ではいつも凶暴なペシが今回は冷静沈着なマフィアのボスを演じきる。
なんとも言えない哀愁感を漂わせる本作のペシは凄い。

ジミー・ホッファという荒馬のカリスマ労組委員長を演じたパチーノ、はまり役です。
相手が誰であり言う事を聞かなければいつも喧嘩腰。
しかし家族思いでデニーロの娘に好かれる良いおじさまでもあります。
アイスクリーム好きも可愛い。
3人で一番年上のパチーノだがめちゃくちゃ若々しいし凄い目力。

二人の板挟みになるデニーロはペンキ塗り(ヒットマン)。
アイルランド移民ですが前線でイタリア語を習得しそれが縁でマフィアに気に入られる。
棺桶はアイリッシュ・カラーを選びます。
にこやかだが悲しげな表情。

刑務所でペシとバゲッドをブドウジュースに浸すシーン。
「ブオーノ」
この辺から人生ドラマのエンディングへ。
3人とも見事という他ないです。

音楽はいつものロビー・ロバートソン(ザ・バンド)。
長くなかった。