こういう映画を小さなパソコンの画面で片手間に何かしながら観るものじゃないとは思いつつ、ついつい時間の短縮と思って「ながら観」などしてしまう自分が残念だと思った作品（だって３時間半だぞ）。つまり、じっくり観ることができる環境があるのなら、そうやって観るのがベストだということ。それぞれのキャラクターに重みがあり、セリフで語られず描かれていることが多い作品だ。スコセッシ映画によくある振り返って語られるナレーションなどは、それぞれの人間に歴史があり想いがあることを思い出させてくれる。見事なテンポとストーリーの盛り上げ方のスタイルは、落ち着いた重みがあり、ベテラン俳優もみんな見事に演じ切っていたので流石だと思った。俳優には過去のキレはないものの、逆に老いる姿が真に迫っていて感じるものがあった。
しかしマフィアって怖い。こういう世界を長く観ているとこっちまでが何が普通で何がそうじゃないのか分からなくなってくる。なぜこの世界は人を魅了するのだろう。不思議だ。
