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アイリッシュマンのべーすべーすのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.5
アイリッシュマンは凄まじい骨太な映画です。名前もわからないようなクソデカイ魚。🐟
近代アメリカ史を振り返りながら、ギャングスター映画の一つの終着点と言っても過言では無い完成された作品。
グッドフェローズや、カジノなど数々の名作を生み出してきた巨匠マーティンスコセッシが作り上げたアメリカギャング史🇺🇸。

その中でアメリカに多大なる影響を及ぼしたジミーホッファという人物の付き人をした殺し屋フランクシーランの告白本をもとにらとして作り上げた。
本作を見ることで、また改めて別のギャング映画、あるいは60年代から70年代を扱ったキューバ危機、ウォーターゲート、ニクソン、ケネディ暗殺といった題材の映画作品を改めてみてみたいと思いました。
そういう映画たちの見方が変わるかもしれません。
この主役フランクシーランは、出来る限り仕事を黙々とこなしてきた。
良い仕事をすれば報われる。
そして結果につながってきた。
報われると信じていた。
しかし、プロとして仕事をこなしてきたはずなのに最後に辿り着く場所はあまりにも寂しかった。これが多くの男たちを殺めてきた罪なのだろう。
悲しいかな、ただただせっせと墓穴を掘り続けていたのだろうか。
手は尽くしてきたはずなのに。

本作の凄いところはただの成り上がりギャング映画で終わらず、人間の心の隙間を覗き込むような映画体験の中での追体験が魅力的。そういう複雑な語り口になっているところも実にスコセッシ節。
映画とは覗くこと。人の生い立ちや生活を覗き込みそこから描かれるカタルシスが生まれる瞬間を垣間見ることができる。
ところどころ、ギャング映画特有の笑えるコミカルさを挟みながら3時間半ある大作が濃厚にズッシリと描かれる。
とても豪華な俳優陣で、特殊なCGにより年代を超えて撮影されているところもまた一興。
Netflixのアイリッシュマンのドキュメンタリーを見られる人は見てほしい。現在の役者陣の顔がこんなに違うのかと驚きました‼️
本作を映画館で見ることができてよかった。

人気シンガーのエドシーランが、実はフランクシーランの遠い遠い親戚というのも驚きました‼️