Taka

アイリッシュマンのTakaのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
3.9
10代の自分がこの映画の魅力にどこまで気づけているだろうか。自分でもよく分からないまま、今感想を書いている。
‪3時間半という長尺の中で紡がれるアメリカ裏社会の歴史とそこに生きた男たちの物語を哀愁と悲哀を詰め込みながら描かれている。
まず、デ・ニーロやアル・パチーノらが違和感なくハリウッドの技術により若返っていることに観ながら驚いた。昨今、ハリウッド映画の若返り術は目を見張るものがあるが、この映画によってついに最適解な流れが出来始めたように感じた。それがかえって、後半の老いた姿の悲哀にも繋がってくる。
そんなハリウッドの技術が詰め込まれており、1億ドルもの製作費をかけて、豪華キャストが出演したスコセッシ映画が一部の劇場でやってるとはいえ、NETFLIX独占配信で観れるのは贅沢極まりない時代に到来したなと思うとともにNETFLIX時代の到来によって生み出された作品にも思える。3時間半という長尺を自分好みに止められたり、鑑賞デバイスを選ぶという自由と映画やテレビシリーズという境界線の曖昧さ、これはネット配信サービスならではなことであり、おそらくこれを映画館で観てたら、自分はさらにこの作品の価値観、スコアを落としていたと思う(「ROMA」のときも同じようなこと言ってたような…w)。
自分がこの映画の価値観にどれくらい気づけているか全然分からないけど、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、そして、マーティン・スコセッシ監督のそれぞれの頂点、遺作でもおかしくはないと思える領域に達しているように感じた。この世界に遺しにかかり始めたなと…
3時間半という長尺に哀愁と悲哀が詰め込まれたマフィア映画でもあり、アメリカ裏社会の男たちの大河ドラマでもある…長いようでまだまだ語り足りてないような短さ。重厚で深く、面白い映画でした。いつかもっと色々と経験してからまた観たいです。予備知識を得て鑑賞するのもありかも。
‪これは今年のアカデミー賞に作品賞やスコセッシの監督賞、視覚効果賞、ロバート・デ・ニーロの主演男優賞、アル・パチーノやジョー・ペシの助演男優賞はノミネート、乃至は受賞して欲しい。‬
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