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アイリッシュマンのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.7
「タクシードライバー」「レイジング・ブル」など数々の名作を生み出してきた巨匠マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが、「カジノ」以来22年ぶり9度目のタッグを組み、第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きた無法者たちの人生を、ひとりの殺し屋の目を通して描いた力作。伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランをデ・ニーロが演じるほか、ジミー・ホッファ役のアル・パチーノ、ラッセル・バッファリーノ役のジョー・ペシと、ハリウッドのレジェンド級俳優が豪華共演する。脚本は「シンドラーのリスト」「ギャング・オブ・ニューヨーク」のスティーブン・ザイリアン。Netflixで2019年11月27日から配信。
1940~50年代、全米最強の労働組合指導者として絶大な権力で名声を高めると共に、悪名を轟かせたジミー・ホッファ(アル・パチーノ)。野心的で権力に飢え、犯罪活動に深く関与していたホッファは、1960年代に入ると陪審員買収、贈収賄、詐欺の罪で有罪判決を受ける。5年後、刑務所を出所し、かつての栄光を取り戻そうとしたホッファは、その傲慢さと突飛さから、犯罪組織の取り巻き連中と敵対。一方、裏ビジネスを隠れ蓑に暗躍する裏社会のボス、ラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)は、退役軍人で冷酷な殺し屋フランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)を犯罪地下組織へと導く。シーランとホッファの仲を取り持ち、友情を育むことを勧めるバファリーノ。だが、それがすべての人間を壊滅的な結果へと導いてゆく……。
イタリアン・マフィアのボスであるラッセル・バファリーノと全米トラック運転手協会の殺し屋で幹部だったフランク・シーランの目を通して、1940から70年代のアメリカの暗黒街でのイタリアンマフィアと全米トラック運転手協会の関わりと抗争やマフィアとケネディ政権の確執などアメリカの裏歴史を描くマーチン・スコセッシ監督のマフィア映画の集大成という感じで、ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノやジョー・ペシやハーヴェイ・カイテルなど貫禄のあるレジェンド俳優の顔合わせとせめぎ合いをただ見ているだけで楽しめるし、風向き次第では兄弟分でさえ敵になる裏社会の冷酷さと強い絆がしっかり描かれていて、マーチン・スコセッシ監督の集大成として大満足なギャング映画。
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