ノクターナル・アニマルズのよしのネタバレレビュー・内容・結末

序幕で罪悪感を覚える。
罪悪感を感じたならスーザンのことが理解できると思う。

分かってしまえば、どうということはない地味な復讐劇。でも登場人物たちの感情を会話で語らせようとするのではなく、言葉以外の表現で伝えてくるのがかなり自分好みの映画でした。

エドワードの小説を読みながら、スーザンはエドワードの気持ちを正しく理解していたと思う。そして、忘れていた『REVENGE』の絵画を再認識し、スーザンは自分の罪を思い出す。
射られた牛やREVENGEや銃を突きつけられている男のアート作品は彼女が自分の罪悪感を身近に置くために揃えていたんだろう。

エドワードは小説でスーザンを糾弾する。スーザンはエドワードが決して訪れないと知りながらレストランで彼を待ち続ける。
スーザン視点だとこうなるけれど、エドワードがどうして小説を送ってきたのかを考えると、復讐のためではない気がしてきました。
だって、エドワードの企みにスーザンが気付いていないと思うような男なのかと、エドワードは。
この復讐はスーザンのための通過儀礼なのではないでしょうか。

エイミー・アダムスは前から好きで今回も良い演技でしたが、エドワード役のジェイク・ギレンホールのどこか女性らしさを感じさせるナイーブな演技も良かったです。エドワードがスーザンの兄の初恋の人という設定も奇をてらった感じがしないんですよね。