ハレルヤ

ノクターナル・アニマルズのハレルヤのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.8
アートギャラリーのオーナーである主人公のスーザン。夫と共に豊かな生活を送る中、元夫のエドワードから彼が書いた小説が送られる。過激な内容のその小説を送ってきた彼の意図は何なのか。独特なセンスで展開されるサスペンス映画。

オープニングから度肝抜かれる映像で幕を明ける本作。「この映画大丈夫か?」と思っていましたが、あっという間に2時間過ぎるほど引き込まれていました。

現在と過去、そして小説の中の出来事と3つの世界観が交差する物語。現在パートでスーザンがエドワードから受け取った小説を読むことで、その小説の世界観へ徐々に取り込まれている描写がなかなか面白い。

本作の目玉はやっぱりみんな大好きジェイク・ギレンホールの熱演。現実のエドワードと小説の中のトニー。それぞれ異なる役柄を堂々と演じきる器用さはやはり彼ならでは。

エドワードの書いた小説に引き込まれて、彼との再会を知らず知らずの内に望むようになるスーザンを演じたエイミー・アダムス。彼女の控え目な演技も見事でした。

個人的にかなり凄みを感じたのはアーロン・テイラー=ジョンソン。小説の中で悪役を演じていましたが、文字通り胸糞悪さ全開のワル。彼の名演も見逃せないレベルです。

他にもマイケル・シャノンにアーミー・ハマーと良い俳優が揃い踏み。際立った演出の数々と俳優陣の巧みな演技でかなりの見応えを感じました。

トム・フォード監督作を見るのは本作が初めてでしたが、まだ監督2作目という事に驚き。デビュー作の「シングル・マン」も見たいですし、今後もどんな作品を見せてくれるか楽しみにしたいですね。
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