◆あらすじ◆
スーザンは芸術品のギャラリーを主催し、夫のハットンと裕福な暮らしを送っていたが、心は満たされていなかった。ある日、元夫のエドワードから小説「ノクターナル・アニマルズ」が送られてくる。スーザンはその小説の衝撃的な内容に惹かれていく。
◆感想◆
才能の無さを軽蔑して別れた元夫から送られてきた小説の良さに惹かれていく女性の心情の変化を描いた作品となっており、本作では彼女と元夫の過去を描くとともに小説の内容を並行して描くことでストーリーに緩急や明暗をつけていて最後まで目の離せないものになっていました。
主人公のスーザン(エイミー・アダムス)は現在、ギャラリーのオーナーで夫のハットンと裕福な暮らしを送っていますが、夫と距離が空いて心が満たされない状態でした。そこに元夫のエドワード(ジェイク・ギレンホール)から小説が送られてきて、彼女はその小説にエドワードの才能を感じるようになります。
小説の内容は、妻子を殺された男の復讐劇というものになっており、なかなか胸糞の悪いものになっていました。前述のとおり、小説の内容のパートが映像として変化に富んでいるため、現実のスーザンのパートでの静かな流れと上手く調和がとれて緩急がついていたと思います。
スーザンとエドワードのどういう経過をたどって現在に至っているかが本作の肝となっており、スーザンは送られてきた小説に心を惹かれている一方、エドワードの心情は一切描かれていない点も観る側に想像の余地を残していて面白いと思いました。
恋愛、結婚、共同生活と一筋縄では行かない人生の中で変容していく女性の心情が上手く描かれた作品としてなかなか面白かったです。
鑑賞日:2024年9月30日
鑑賞方法:Amazon Prime Video