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ノクターナル・アニマルズのmariaのネタバレレビュー・内容・結末

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大根役者が1人もいなかった。
どんどん引き込まれて目が離せなかったです。

現実世界の中の主人公と、主人公が読む物語が交互に進んでいます。
進んでいるというか、主人公がどんどんその物語を読んでいっているという設定です。

その物語というのが、大学時代に付き合っていた男性から送られてきた小説。
タイトルが "Nocturnal animals " というこの小説の内容がかなりショッキングなもの。

ある晩ドライブしていた家族が頭のおかしい若者集団にクルマをパンクさせられ母娘は誘拐され男は道端に捨てられる。

なんとか民家に辿り着くものの親子の電話には繋がらない。
警察に掛け合い事情を説明し、自分が捨てられた場所へ向かうと、

そこには………




















裸で抱き合う親子の死体が。






母の頭蓋骨は割られており、娘は窒息死させられたことが判明。

その後犯人を追うも足取りは掴めず。
しかし男は諦めない。
警察からの知らせを待つこと1年。

犯罪グループの1人がスーパーの強盗をして捕まったとの情報が。
すぐさま男は確認に向かう。
案の定犯罪グループの一味であった。

その後主犯の居場所も判明する。
問い詰めるもシラを切る主犯の男。
タイミング悪く、この事件解決に協力をし続けてきた警官の肺炎と、警官のポストから退けられようとしていることも明らかとなる。

そこに追い討ちをかけるように主犯の男の釈放が告げられる。

最早現存する法ではこの犯罪者を裁くことは難しいと判断した男と警官は法を逸脱した手段を取ることにする。

主犯の男を含む犯罪者3名を小屋におびき寄せる。

しかし男の不手際で脱走されてしまう。
警官はすぐさま脱走した1人を撃ち殺す。
男は自分が殺すべきだったと嘆き、逃した主犯の後を追う。

自室のベッドでくつろぐ主犯に拳銃を突きつける男。
拳銃を突きつけられてもなお余裕ぶる主犯。
更には、男の妻を強姦した時のことを嬉々として語りだす。
男はたまらなくなり、発砲するも主犯の隠し持っていた鉄パイプにより頭を強打し、意識を失う。

目が醒めると男は視力を失っていた。
何も見えない世界で触覚だけを頼りに男が死んだことを悟る。
そして拳銃を握りしめ外に出て発砲する。

しかし何の反応も無い。
地べたにへたり込み男は拳銃を落としてしまう。
そして拳銃は誤って発砲され、男の腹を……………。















そこで小説は終わる。

よくある復讐劇であり、目新しいものでは無いのですが、役者の演技が素晴らしくて見ているこっちも、怖くなってきます。

映画の中でこの小説を読む主人公は現在の旦那とはうまくいっていなく不倫されている。

そんな中で昔の元カレから送られた小説を読んでいくうちに彼と過ごしてきた日々を思い出します。

若き頃、彼女は芸術家を目指し彼は作家を目指していた。

彼女がどんどん成功するとともに彼が日の目を見ないのにつよく当たる彼女。

そして成功するなんて夢だという。
私はあなたのように夢の中で生きられないのだ、と。

小説を読み終えた主人公は、送り主にメールを送る。

話したいことがあるから夕食でも、と。

彼からの承諾の返信を受け取り、めかしこんで中華風レストランで彼を待つ。

しかし、彼は現れない。。。




















様々な解釈ができる映画だと思いますが、これは彼からの復讐であると感じました。

現在の彼女は芸術家としてまあまあ成功しているのですが、彼は若い頃に彼女に捨てられたのを根に持っていたのだと思います。

また、彼女の回想シーンの中で元カレとの間に出来た子供を堕してしまいます。

そのことも彼は憎んでいたのでは無いでしょうか。

全体的に暗く重い雰囲気の漂う映画でしたが、見てよかったと思います。

色々な解釈があると思いますので、鑑賞なさった方は是非ご意見をお聞かせください。
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