監督の変態ぶりをまざまざと見せつけられる。
オープニングからどえらいもの見せられて場内がザワつく( Д ) ゚ ゚
しかもまぁまぁ長いし!
でもこの映画の構成からすると、このジャンクなオープニングにも深い意味があるのかも?て勘繰ってしまう。
もしかすると「あなたがこれから目にする物語は決して美しいものではありませんよ」という監督からのメッセージなのかもしれない。
そしてその宣戦布告の通り、現実と本の世界が交互に描かれるストーリーはどちらも精神的にキツかった。
後味悪い映画はよくあるけど、観てる間中ずっと不快だし緊張してた。
もちろん俳優陣の演技はさすがとしか言い様がない。
エイミー・アダムスの若い頃と現在の演じ分け、ジェイク・ギレンホールの後悔と怒りを抱えながら生きる男の抑えた演技。
でも個人的にはやっぱりマイケル・シャノンが相変わらず最高でしたよ!
最初は何だか怪しい雰囲気を漂わせる刑事だけど、内に秘めた強烈な正義感。
世間一般でいうイケメンのくくりには入らないんだろうけど、この人出てりゃ間違いないだろっていう安定感と安心感はイケメンだと思います!!
以下ネタバレ含みます。
最終的に明確にはされてないけど、ラストでエドワードが現れなかった解釈は人によって分かれるのかな。
小説の主人公トニーは元夫のエドワードであり、そして妻と娘を殺したレイはエイミー・アダムス扮する元妻のスーザンであることは間違いないと思う。
高慢で自分勝手な考え方。
身勝手にも自分の子を中絶され、更には浮気現場も見てしまったエドワード。
「愛しているなら努力すべきだ」と言っていた彼にとって、妻と子供を同時に殺されたに等しい行為だったということが伝わってくる。
そしてスーザン自身も「リベンジ」と書かれたアート絵を買っていたり、数年前に何故かエドワードに連絡しようとしていたり、手酷く裏切ったエドワードからいつか復讐されるのではないかと心のどこかで思っていた節もある。
たぶん夫との関係が冷えきってしまった頃からは特に。
現実世界と小説がリンクしていることを考えると、個人的にはエドワードは自殺してしまったんじゃないかと思う。
復讐を果たしたトニーが自らを撃ち殺したように。
おそらく、あの頃自分の才能を信じてくれなかった妻に対する復讐と、別れを必死で止めなかった自分への復讐の二段階構成だったんじゃないか。
19年かけて元妻を納得させられるくらいの作品を書き上げ、更には会いたいと手紙を送る。
小説を読み、会いたいと返事が来た時点で彼の妻に対する復讐は完結。
あとはあの頃の自分への復讐だけ…。
これだけの積年の想いが籠った作品を書く人物が、ただ単に約束をすっぽかすだけの復讐はしないんじゃないかなと。
これを観た皆さんはあのラストはどう思いましたか??