たつかわ

ノクターナル・アニマルズのたつかわのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.1
復讐かそれとも

トムフォード監督作品2作目。個人的には初監督作品「シングルマン」では音楽、映像ともに良かったが、話はあまり好きではなかった。本作はその3点を十分に満足するレベルに押し上げている。

度肝を抜かれてちょっと笑ってしまったオープニングからはじまる。主人公へ小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が届いて読み始める「今」、読み始めた「小説」、20年前の主人公の「回想」の3つの話が入れ子構造になっている。

小説の中にでてくる妻のキャスティングの妙、流石トムフォードといった言わんばかりの回想シーンのメイク、序盤から複雑になる要素満点で、ミスリード?もあり、中華料理店に主人公がある人物を待つところで映画が終わります。最終的には観ている人にゆだねる形になります。

話の6割を占める「小説」部分が「私ならこの状況をどう乗り越えればいいのか」と考えてしまうあおり運転から始まるサスペンスで面白く、ゆだねる形で終わる作品が嫌いな方も、満足のいく作品だと思います。

おススメです。
たつかわ

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