このレビューはネタバレを含みます
味わい深い映画だった。
現在と過去と小説の中のお話と、3つの筋があって、それぞれが小出しにされながら話が進んでいく。一見ややこしいようだけど、分かりやすくてすごく引き込まれた。
小説がどうなっていくのか追いつつも、それがエドワードとスーザンの間に実際に起きたこととどう関係していくのかを考えながら観ることになる。
小説には、大なり小なり作者の内面が投影される。エドワードが小説に託した思いは何だったのか、「スーザンに捧ぐ」に込められた思いとは。
深く読み取ることは出来なかったけど、感覚的に、少なくともエドワードにとっては前向きなラストだったように思う。スーザンにとってはどうだっただろう。
イメージの中での「死」は、再生を暗示するものとされることが多い。スーザンがその後どう変わっていくか、それとも変わらないのか。色んな風に考えられる映画だった。