おとうちゃん

ノクターナル・アニマルズのおとうちゃんのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.5
怖ろしく美しい悪夢のような子守歌。

アートディーラーとして成功を収めているが、夫とはうまくいっていないスーザン(エイミー・アダムス)。20年前に別れた夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から1本の小説の原稿が贈られてくる。
小説の題名は元夫がスーザンに付けたあだ名「ノクターナル・アニマルズ~夜の獣たち~」

冷めきった夫との生活をおくる現在、元夫との思い出を語る過去、そして小説の中の架空の物語を並行して映し出すサスペンススリラー。

現在、過去、架空...3つの物語のバランスが巧みな構成。

完璧なる不均衡美!

ブルジョワの気品とエロスそしてゴージャスと空虚。
無残なストリップと美しい死体。
バイオレンスとジャスティス。
リアルとフェイク。
愛と復讐。

これらの不均衡のバランスが絶妙なためギリギリの違和感を楽しめる。

巧みな構成によりバイオレンスな小説シーンも気付くと小説であることを忘れて引き込まれる。


・・・この先プチネタバレあり・・・


この映画は最終的な判断を観る者に委ねる手法を取っている。

何故エドワードは別れた妻に小説を おくって来たのか?

「俺はこんなすごい小説も書けるんだぞ!」って未練タラタラの見返り美人を狙っていたのか...

私めの想像するところ 彼は既に死んでおり、この小説は彼の遺書のような気がしてならない。
作中 現在のエドワードは一度も登場していないことからも、その可能性は捨てきれない。
だとしたら、この小説こそがエドワードのスーザンに対する復讐なのかもしれない。

何れにしても未練タラタラ(;^ω^)