このレビューはネタバレを含みます
人によって解釈も感じ方も異なる。
こういう映画は本当に大好き。
後の考察で、あーだこーだ言える余地を残す。
言えるだけのピースを残す。
どんでん返しもいいけれども、こういう映画はとても残る。
彼が望んだのは果たして…
あのラストも大好き。
これで心残りは無いのだろう。
きっと彼は、女々しいながらも、いつまでも一緒に居たかっただけなのだろう。
そして同時に、いつまでも許せなかったのだろう。
その思いが、作家としての成功と、欲望と暴力に塗れた一冊の小説をしたためるきっかけになったのだろう。
怨みと悲しさを湛えた彼の、車の中を見つめる目や佇まいは忘れられない。
そして、ラストに彼女が湛えるあの目も。
「失ったものは二度と戻らないんだ。」
心に残る映画でした。