なると

ノクターナル・アニマルズのなるとのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.2
20年前に別れた夫から送られてきた小説。それは愛なのか、復讐なのか。
作品を通して、この小説が「愛」だとは全く感じませんでした。個人的には完全に「復讐」だとしか思えない。

小説がエイミーアダムス演じるスーザンの過去と照合される点は面白いと思いました。この劇中はスーザンが「夜の獣」である比喩であり、過去にジェイクギレンホール演じるエドワードを傷つけた比喩であると思います。
エドワードは売れない小説家のように描かれており、送りつけた小説がスーザンを驚かす小説で、巧みな小説になっている部分にとても皮肉を感じました。
復讐という意味では、殺しなどのように残酷なものではありませんが、スーザンが長年罪悪感を感じていたところにこの小説が来たことは彼女にずっしりと、じわじわと恐怖を与えることになったんだろうとなと思います。ラストも復讐の一部だと思います。

そしてストーリー以外にもトムフォードがファションデザイナーとして活躍してるため、その彼のデザイン性、美術が非常に美しい。冒頭の裸体の女性から掴まれる。あれは、夜の獣?
とにかく素晴らしかった。
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