140字プロレス鶴見辰吾ジラ

パージ:大統領令の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

パージ:大統領令(2016年製作の映画)
4.2
”日本のハロウィンは、日本のパージ”

1年に1度、12時間だけ殺人を含むすべての犯罪が許される法律…

それが”パージ”

それは魂の浄化であり、内なるMADの解放である。仮面やコスチュームに身を包んだ、匿名性の闇が国を包み込む。

それが”パージ”

「蜘蛛の糸」
地獄の沙汰に垂らされた極楽への希望。多くの者が垂れ下がった糸に群がる中、自分のモノだと言い張り、他者を蹴落として行く…

それが”パージ”

「皆で貧乏になることはない!」

パージを守護する者
パージを破壊せんとする者

蜘蛛の糸に縋り自己利益を追求する資本主義の欲望と、蜘蛛の糸でも分け与えようと利他的な愛を注ごうと信じる者。

12時間すべての犯罪が許可され、狂気的で変態的で剥き出しとなって理性を踏みにじる、イフのゲテモノ映画の中に、仕掛けられた哲学にシリーズ最高傑作という感情が湧き上がる。

それこそクライマックスは平凡なアクション映画的なエモーショナンの流れだったが、ゲテモノの中に光る哲学に愛を感じた。


もうすぐ日本も
年に1度の
パージを迎える。

渋谷に集え
ゴミを捨てろ
淫らに乱れろ!

パージで浄化を!!