ペーターの意地悪

マイケル・ムーアの世界侵略のススメのペーターの意地悪のレビュー・感想・評価

-
ムーアがヨーロッパを色々回って各国の"良さそうに見える"制度だけをどんどん紹介していく(並行して今のアメリカのおかしなところを風刺する)

で各国の素晴らしい制度のアイディアはもともとアメリカにあったのであり、外を探し回らなくても落とし物をさがせばいいという締めくくりがされる 

真新しいメッセージ的なおもしろさのある映画というよりは、ムーアによるインタビューや映像編集のなかにちょこちょこと含められたユーモアをたのしむ映画だった(ちなみに2,4倍速くらいで見た)

レビューをみてると、解決策を示さない映画は好きではない、といかにもなことを書いている人もいるけれど、時間の制約もある中でこれだけたくさんの問題点を挙げながらおまけにとってつけたような「解決策」を示したところで、まじめくさっただけのむしろ薄っぺらい映画になるのではなかろうか

どうしても自分たちの暮らす世界をメタ的に、あるいは俯瞰して見ることはそこにどっぷりと浸かっている人ほど難しく、そういう人たちにこんな世界もあんな世界もあるんだぜといちいちショックを与えて揺さぶっていくことそのものにも意義や価値はあるのだと思う