川口覚くんのファンなので東京国際映画祭を含めスクリーンで5回観ました。観る側に想像させる余地を多く与える映画はその評価が分かれるのは必至かと思います。私が最初にこの映画を見た時は最悪のプライベートの真っ只中だったので、全然優しい気持ちで見ることが出来ず、妻と愛人のエゴイズムに憤りばかりを感じていました。しかし、観る回を重ねるごとに優しい気持ちを取り戻し、残酷な物語の中に絶えず優しさを漂わせる越川監督の作風にすっかり魅入ってしまいました。悲しい物語の中にも笑顔をもたらしてくれたのは、今まで散々中にいたのに「開けてよ」という夫、そしてずぶ濡れでテーブルを拭く夫。川口覚くんの繊細さと上品なユーモアはやはり私の胸を高鳴らせてくれます。
