ヌリ・ビルゲ・ジェイランが初めてカンヌで受賞し、映画界にその名を知らしめることとなったきっかけの作品。
初期のモノクロ作品には劣るものの、雪の白が特に印象に残る映像の美しさと侘しさは胸を打つものがあり、中でも船が映り込むシーンはどれも圧倒的で言葉を失う程だった。
二人の男の暮らす部屋の静けさも良かっし、タルコフスキーのストーカーを二人で見る場面にも愛嬌が感じられたけれど、ふと気になったのはとあるシーンに出てくるネズミの赤ん坊で、あれはどう調達したのか不思議でならない。(偶然撮れた映像を上手くシーンとして落とし込んだのだろうか)