エンポリオ

裁きのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

裁き(2014年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

人が人を裁く、とは一体。
下水道で息を絶った清掃員は自殺なのか、他殺なのか。その鍵を握るのは一人の老人であった。歌や踊りに彩られ、裁くことそのものが剥き出しにされていく。
意欲作であることは認めざるを得ない。この設定を用いてクライムやサスペンスに落とし込むどころか、そちらに傾いていく気配すらも見せない、非常に強気な作品であった。しかし、人が人を裁くこと、そしてその裏側に広がる無数の言動や表情、生活を浮かび上がらせるには、この作品の尺と威力とでは釣り合っていないように感じてしまった。どちらに転がしていくのかが曖昧なまま多くの時間を費やさなくてはならなかったように思う。
それでも、終盤からクライマックスまでの展開、作りは非常に見事だったように思う。あのラストシーンがあるとないとじゃ大きく違ってくるように思える。
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