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ビッグ・ガンのHKのレビュー・感想・評価

ビッグ・ガン(1972年製作の映画)
3.5
アラン・ドロン追悼第2弾。
こちらも『アラン・ドロンのゾロ』と同じくマカロニ・ウェスタンで名を馳せたドウッチョ・テッサリ監督作ですが、コミカルでユルかったゾロとは対照的にシリアスでハード。
足を洗おうとした凄腕の殺し屋が組織に消されそうになり復讐するパターン。
プロの殺し屋役と言えばドロン(当時37歳)の十八番、狙った獲物は逃がしません。

やはりイタリアとフランスの合作ですが、マカロニ風味濃い目。
ドロンの他のフレンチ・ノワールと比べると殺し方やリンチの描写はちょっと残酷かも。
ドロン扮する主人公の名前が“Tony Arzenta” (トニー・アルゼンタ) 。
この名前もなんだかアルデンテみたいでマカロニ(スパゲティ)風?

ジョン・ウイックとか最近のアクロバティックな殺人アクションを見慣れていると物足りないかも知れませんが、現実離れしすぎていない分リアルに感じる可能性もあり。
同じく妙にリアルながら延々続くキレの無いカーチェイスもユーロ・クライム特有。

共演は組織の幹部の一人に『ゴッドファーザー』のリチャード・コンテ。
同じく幹部の一人に第二次大戦のドイツ軍将校といったらこの人アントン・ディフリング。
ドロンを助ける女性にカルラ・グラヴィナ(『相続人』『刑事キャレラ/10+1の追撃』)など。
悪役の中ではコンテの側近のウンベルト・オルシーニの存在感が光ってました。

しかし、パチーノやデ・ニーロ、トラボルタなんかと違って、ドロンの顔は整いすぎているのかイタリア系には見えませんね。
ちなみに人公の名前がそのままイタリア語の原題。
英語タイトルは邦題と同じ“Big Guns”。

アラン・ドロンにあらためて合掌。
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