土屋ノリオ

ストーンウォールの土屋ノリオのレビュー・感想・評価

ストーンウォール(2015年製作の映画)
3.2
『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』のローランド・エメリッヒ監督の作品なので鑑賞。当初は「らしくない作品」を撮るんだ…くらいの気持ちだったのだが、鑑賞後の気持ちは大きく変化してしまった。本作は当時社会的に迫害されていたゲイたちの憩いの場「ストーンウォール・イン」にて1969年に起きた「ストーンウォール事件」を題材にしているヒューマンドラマ。また監督・脚本などの中心人物はゲイの当事者らしく(知らなかった)映画会社やスポンサーの意向を気にせず集中するため、自費にて製作しているとのこと。しかし全米では2015年に公開され、主人公が白人男性であることが、史実ではないとゲイたちにボイコットされ全くヒットしなかった模様。監督自身も幅広く受け入れやすい内容にして作っていると公言しているのだが、理解を得ることは難しかったようだ。予備知識なしでの鑑賞であったが、鑑賞後に調べてみると、ローランド・エメリッヒが本作と撮る意味を理解できたし、「なぜ」の疑問も解消できた。世間に認められ有名監督が、史実ではなく大衆に受け入れられる作品にしようとしたことが、興行的にも失敗の原因だろうが、自分にとっては本作を観たからこそ「ゲイの歴史」なども簡単ではあるが理解できた作品。

やはり映画は勉強になる。
土屋ノリオ

土屋ノリオ