ストーンウォールの作品情報・感想・評価 - 26ページ目

ストーンウォール2015年製作の映画)

Stonewall

上映日:2016年12月24日

製作国:

上映時間:129分

3.6

あらすじ

インディアナ州から、N.Y.グリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリートへやってきたダニー(ジェレミー・アーヴァイン)。ゲイであることが発覚し、両親に見放され、恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独なダニーを迎え入れたのは、この街で美しさを武器に体を売って暮らすゲイのギャングを率いるレイ(ジョニー・ボーシャン)だった。ダニーは彼らの部…

インディアナ州から、N.Y.グリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリートへやってきたダニー(ジェレミー・アーヴァイン)。ゲイであることが発覚し、両親に見放され、恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独なダニーを迎え入れたのは、この街で美しさを武器に体を売って暮らすゲイのギャングを率いるレイ(ジョニー・ボーシャン)だった。ダニーは彼らの部屋に住まわせてもらい、常に陽気に歌って踊りな がらたくましく生きていく仲間を得て、この街で身を寄せ合い暮らす様々なゲイやレズビアン、ドラァグクイーンや、政治活動家のトレバー(ジョナ サン・リース・マイヤーズ)と出会うが...。

「ストーンウォール」に投稿された感想・評価

けろえ

けろえの感想・評価

3.7
ひとりのゲイの青年の成長物語…かな。ストーンウォール自体はおまけみたいな感じ。

このレビューはネタバレを含みます

こういう雰囲気とても好き!
恥ずかしながらこのストーンウォールの反乱がLGBTの在り方に変化を与えたきっかけとなったってことを知らなかった私。
気になってwikiで読んだら映画では史実にかなり演出が加わっているのね。
まぁ、フィクションとして観るには個人的には問題ないかなと思った。
機動隊(アメリカだとなんていうの?)にラインダンスで対抗したり、投げたレンガがぶつかって窓ガラスが割れる瞬間とかはシビれたよね。

私の中でダニーはただレンガ投げただけの遅れてきた反抗期っていう青臭いイメージに落ち着いてしまったけど、
その分、彼を取り巻くストリートの仲間たちが良いキャラクターしてたなぁ。
レイ役の俳優は長編デビュー?なのにあの荒んだ綺麗さを上手く演じていたと思う。
ふつーにイケメンだよね、彼。
コンゴ役の俳優さんもいい存在感だった。
最後の注釈的な部分でエドの転身ぶりにはビックリ!

ってか、この映画ダニーを主役にする必要あった…?
僕にとってストーンウォールという名前は、何よりもゲイ文化としてのハウスミュージックとの関連で記憶されている。ラリー・レヴァンのミックスCD「ライヴ・アット・パラダイス・ガラージ」のライナーノーツは、ストーンウォール暴動こそがゲイ文化を切り開いたという記述から始まっている。だから、この映画で描かれている事件がなければいま僕たちが当たり前のように親しんでいるダンスミュージックの形もありえなかったかもしれない。もちろんダンスカルチャーのみならず、セクシュアリティを問わない公共圏/親密圏というものの発現を切り開いた端緒となるのがこのストーンウォール暴動だということだ。

事件から50年近くが経って、ようやくそのことが映画表現という形で広く知られることとなった。逆に言えば、50年経たなければこのことは語ることができなかったということでもあるのだが、なんにせよこの題材が当たり前に、「ゲイ映画」という括りではなくごくごく「一般的な」映画としてこうして公開されたことをまずは喜びたい・・・ところなのだが。

しかし、しかしだ、残念なことに本作の映画としての完成度はさほど高いものではない。ゲイ・リベレーションの歩みがひとつの歴史劇として提示されるというよりは、ひとりの青年のゲイ・アイデンティティへの葛藤と受容がむしろ物語の主要な力点となり、単なるビルドゥングス・ロマンの域を出ることがないからなのだ。

中だるみというにふさわしい退屈を少なからず感じてしまったことは否定できない。なぜなら、ゲイ解放運動のはじまりという歴史的瞬間と、主人公の心情の変化や成長、もしくは彼(女)らをとりまく人間ドラマというものが、さして有機的な連関を映画の中で持ちえていないようにみえてしまうからなのだ。そうなれば、歴史的な転換点というべきその時代背景はそれこそ文字通り「背景」にすぎず、単なるゲイのラブストーリーがそこにあるだけになってしまい、そうすると1968年であることの意味も薄くなってしまう。なるほど暴動シーンの高揚感や、最終的に1970年のデモに結実してセクシュアル・マイノリティへのエールとエンパワメントを歌い上げるラストシーンはさすがに感動的ではあるのだが、しかし逆に言えばそこだけが「見せ場」になるだけであって、結果として「ゲイ解放運動の歴史的知識の伝達」という啓蒙的な役割しか果たさないのだとしたら、映画として残念であるというほかはない。

同じゲイ・リべレーションを扱った「パレードへようこそ」や、ゲイ映画ではないがケン・ローチの「ジミー、野を駆ける伝説」が、社会運動と人間ドラマとの有機的連関を見事に保ちながら映画的感動を与えてくれたこととの大きな違いがここにはある。イギリスとアメリカの違いなのかもしれないし要因はいろいろあるだろうけれど、「(葛藤しつつも)抵抗する主体」であることをどれだけ意識できているかということ、エメリッヒに欠けているのはたぶんそれである。主人公の政治意識はどうあれ、こうなってしまったからには彼(女)らは政治的存在であるしかないにもかかわらず、このどこまでも中途半端にしか「社会化されない」主人公(たち)の描き方、それがこの映画をひどくぼんやりとした印象しか与えてくれないものにしてしまっているのではないだろうか。上記二本のイギリス映画が、たとえパンクと名指されようと左翼と呼ばれようと一向に意に介さないような清々しさとともに、「ざまあみろ!世界は俺らのものだ」と叫び突き抜けているのに比べるとなんと腰が引けていることか。ストーンウォールだってそういう熱気に満ちていたはずなのに、LGBTということばがあたりまえになった2016年にあって、「あれはこんな感じでした~」とさらっと言うだけなの?それでいいの?と拍子抜け。恥ずかしげもなく「戦う映画」をぶちかますことはそれでもまだ必要だよ。「キャロル」だって「アデル」だってこの映画の100倍は戦っていたと思うもの。
りほこ

りほこの感想・評価

3.3
予備知識ゼロで、暇だったから観てみた映画。
最初はふーんて感じでお腹空いてたのもあって、うとうとしながら観ていた(笑)けど、話が進むにつれてストーンウォールの意味、1950年代のアメリカではゲイへの市民権も雇用も禁止、集会を開く権利すらなかった。当時のストーンウォールではギャングと警察が繋がってゲイバーを運営していたほど治安が悪かった。現在もアメリカのホームレスの4割がゲイであり、貧困の彼らが異端者であるという差別や待遇を受けて来たのかが明らかになっていき、どんどん惹きつけられた。結果1970年の同性愛差別解放例までを追った史実に基づく(らしい)この映画によって暴力でしか戦うことのできなかった彼らがデモという平和的解決策に辿りつけたことに感涙!!
映画の雰囲気もスラム街っぽい汚い感じがよかった。ただ主人公イケメンすぎてリアリテイがない上に長かったなぁ(笑)
2016.12.26
新宿シネマカリテ
2016.12.26
新宿シネマカリテ
お母さんと
ジョニーボーシャン(レイ)すげえな
ぴな

ぴなの感想・評価

3.5
スクリーン2

エメリッヒ監督作なのもあって気になってた1本。

本作は史実と違うということで批判もあったようだけど、史実を基にしたフィクションだし、ゲイとして生きていく中で突き付けられる現実の苦悩は伝わると思う。
ゲイが病気だとか犯罪だという扱いをされていた時代。
(今でもそういう国はある)
いかに理不尽だったか、どんな暴力に晒されていたのか。そして、それを受け入れるしかなかった人たち。
レイの繊細さ、ダニーの家族との隔たり…泣かされた。

エンディングで流れる後日談。エドに何が起きたの??
@ シネマカリテ

予備知識ゼロでの鑑賞。
ゲイが病気であり、人権を認められていない時代。
「自由の国アメリカ」の差別的な時代、
ゲイの人権を解放するムーブメントをバックにした作品。
セクシャルマイノリティーに対する弾圧は、保守的な思想の人たちにとっては理解の範疇にないわけで、どこまでも残酷になれる。

たかだか40〜50年前なんですよね。
驚くことに。

ともかくもフラットに観て、悪くない作品だよなぁ、って感想です。