ジャッキーケン

オーマイゴッド 〜神への訴状〜のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.3
無心論者の主人公が神と名乗るペテン師を相手に法廷劇を繰り広げる本作はインドにおける宗教タブーを真っ向から切り込む「PK」と同路線でさらに現実味を帯びた内容となっている。天災によって経営していた店を全壊され保険会社に「天災は契約のうちに含まれていない」といわれ断られてしまう。そんなお先真っ暗の主人公は天災=天罰と考え、神を訴える。無茶な訴訟から始まる法廷劇はたった1人で神の名を利用しビジネスに利用するペテン師教祖と闘っていく、無心論者の主人公の訴えは的を得ていて、教祖たちはお供えものをしなければ天罰が下るとまるでマフィアのように脅しているという的を得た色んな例えが説得力がある。もちろん予想通り宗教を重んじるインドにおいては神の侮辱はおろか神に対して訴えるという行為はもってのほかインド国民そのものを敵に回してしまうが同じく天災で全てを失った境遇を持つフォロワーを生み出しまるでたった1人で全てを覆す密室劇「12人の怒れる男たち」を特大スケールで見ているような感じだった。
中盤にクリシュナと名乗る謎の男を演じるのはあの「パッドマン」アクシャイクマール!
終始格好良さしかない現実路線から外れ、神の本音を聞かせてくれる。「供え物で食べ物粗末にするよりも目の前の物乞いを救え」
「無心論者こそ真の信奉者なのだ」
など実際の神が現れてはその存在を否定する主人公に助言やらアドバイスをしていく姿は斬新。しかも主人公のアンチとカーチェイスまでしちゃうしこの神そのものがぶっ飛んでる。現代風に姿を変えてるがコミカル
映画自体が伝えたいことは自分の信念を持てということ。ぜひ「PK」を見てから本作を見ることを勧めます。