猫脳髄

22年目の記憶の猫脳髄のレビュー・感想・評価

22年目の記憶(2014年製作の映画)
4.2
「殺人者の記憶法」(2017)で認知症の殺人鬼を演じるソル・ギョングが、その前に自らを独裁者と信じる狂気の役者を演じていたとは知らなかった。

1970年代に売れない大根役者だったギョングが、情報機関の「オーディション」により、大統領の前で金日成役を演じることになる。役にのめり込み、やがて現実との境を見失った後に、プロジェクトは中止となり放逐される。

その22年後、施設に暮らすギョングを引き取るために当時はまだ幼かった息子(パク・ヘイル)が訪れ、未だ「金日成」を名乗る父親と奇妙な同居生活が始まる。

南北関係ドラマが数多製作されるなか、史実とフィクションを巧みに織り交ぜながら、突拍子もないがしかし見事な親子のヒューマンドラマに仕上げている。クライマックスのまさかのツイストもうまい。
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