なつこ

ハッピーエンドの選び方のなつこのレビュー・感想・評価

ハッピーエンドの選び方(2014年製作の映画)
3.7
パッピーエンド?
この邦題も罪だよね。明るい作品だと思っちゃう人結構いるんじゃないかしら。
でも、あながち的外れでもない。
終わりを自分で決められるのなら、それはハッピーエンドなのかもしれない。

認知症の症状が出てしまい、とても恥ずかしい思いをしたレバーナを、大胆な行動で励まそうとする友人達に思わず笑ってしまった。
こういう優しいジョークを忘れない歳の取り方をしたい。

寝たきり、長い闘病、認知症、ここだけじゃない、きっとどこのホームでも出てくる難しい問題。
痛みや不調に苦しんで苦しんで、ただ息をしているだけの毎日は辛い。
自分が自分でなくなっていく恐怖と隣合わせのまま、先の分からない毎日を生きるのも辛い。

周りは生かそうとする、本人は死を望む。誰かの気持ちに寄り添うということは、それをも受け入れるという事なのかもしれない。
尊厳死が良いことなのか悪いことなのか、きっと答えはなくて。でも手伝うと殺人(悪いこと)になってしまうわけで。
無限ループだ。

答えはない。
多分この先もずっと。
なつこ

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